「感情的にならない子育て講座」では、「どんな大人に育って欲しいですか?」と問いかけます。その中で、毎回のように出てくるのが「迷惑をかけない人になってほしい」と言う言葉。
その言葉自体悪いという意味ではありませんが。否定形なので、ぜひ肯定形でいうと、どんな表現になるのかを考えてみていただけたらと思います。
Facebookで先日、投稿した内容にも大きな反響がありました。
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「迷惑をかけない子」昨日も講座でちらっとお話ししました。ドイツから来た記事のコラムニストは、意味がわからなかったそうです。具体的に伝えればいいだけのこと。たとえば、電車のドアの前に立っていて降りにくかったら、「おります」「ちょっと横にずれてもらえますか?」などと言えばいいですよね。
「迷惑って、常識人ぶるのに便利な言葉だなと思います。意味がざっくりとしていて、主語も目的語もなく使われることも多いから、なにが、だれに、どんな問題を起こしているのか説明する必要がない。一方で「○○が迷惑だ」と言えば、自分がルールをすべて把握していて、常識的な人だという立場をとれます。」
「提案したいのは、「迷惑」という言葉を使う前に、ほかの言葉に言い換えてみることです。…なぜ、それをするのがダメなのか、突き詰めて考えてみることで、説明する相手にも分かってもらいやすくなるし、禁止しなくても問題が起こらない事柄についても見えてくると思います。」(朝日新聞GIOBE 2020.2.2)
これを受けて、以下のように提案させていただきました。
「迷惑をかけない人」の投稿に、たくさんの反応と投稿をいただきました。ぜひ、親子で、学校でお話ししていただきたいな~って思います。それだけで1時間とかすぐですよね、きっと。
「迷惑ってどういうこと?」「迷惑をかける人ってどういう人?」みんなで、考えてみる。たとえば、「みんなと違うことを言い出す人」というコメントがあったとする。「でも、みんなと違う意見があることは迷惑なんだろうか?」と考えてみる。たとえば「人にお世話ばかりかける人」って言うのが出たら、「でも、人の手を借りるのは迷惑なのかな?」と考えてみる。
そんな対話から、人と自分の考え方が違うこと、それを尊重されること、多様性について考えること、そんなことのきっかけにもなるような気がします。もちろん、「思い通りにならないときに、叩いてくる人」なんていうコメントが出たら、「それは暴力だから、迷惑と言う言葉じゃなくて、暴力はいけないよね」ということになりますよね。